蛋白尿(たんぱく尿)の原因として考えられること

看護師

蛋白尿という言葉を聞いたことはありますか?
最近は生活習慣病として糖尿病が広く知れ渡ったことで、
蛋白尿という言葉もよく耳にするようになったのではないでしょうか。

 

では、蛋白尿とは具体的にどんなものなのでしょうか。
そして、その原因はどこにあるのでしょうか。

蛋白尿とは

簡単に言えばタンパク質が多量に混ざってしまった尿のことです。
健康な人でも、実は尿に蛋白(タンパク)は混じっています。
しかし、尿試験紙で検査しても陰性になる程度のごく微量です。

 

ですが、尿をろ過する作用のある腎臓やその付近、あるいは他の臓器に何かしらのトラブルが起こると、
本来通過できないはずの大きなタンパク質や、吸収されるはずの小さなタンパク質が、
そのまま排出されてしまい、蛋白尿が出てしまうのです。

 

蛋白尿の原因

蛋白尿が出てしまう原因はさまざまで、一過性のものもあれば慢性的に出るものもあります。

 

一過性のものの場合

生理的蛋白尿」、もしくは「機能的蛋白尿」と呼ばれる一過性の蛋白尿です。

 

・激しい運動をしたり発熱したりした後

・起立性蛋白尿(子供や若い人に多い)

・妊娠や月経

・精神的ストレス

・タンパク質の一時的な過剰摂取

 

これらが原因となって起こります。

 

起立性蛋白尿については、特に学童に多く見られるものです。
立っていることで腎静脈が圧迫されてしまい起こるものです。
これは成長とともに治っていきます。

 

病的なものの場合

尿ができる過程において、腎臓よりも前段階に問題がある場合と腎臓に問題がある場合、
そして、腎臓よりも後に問題がある場合の3パターンに分かれ、それによって原因が変わります。

 

1.腎前性蛋白尿

腎臓より前段階に問題がある場合です。

 

腎臓自体に特に問題はなく、腎臓以外の臓器に障害が出ていたり、
感染症などが原因となって、低分子蛋白が増加します。

 

低分子蛋白は本来尿細管で吸収されますが、これが追いつかなくなって蛋白尿になってしまうのです。
腎臓自体は正常に機能しているので、分子の大きなタンパク質が出ることはありません。

 

2.腎性蛋白尿

腎臓に障害が出ているために出る蛋白尿です。

 

糸球体に異常が出ているために出るのが糸球体性蛋白尿、
尿細管に異常が出ているために出るのが尿細管性蛋白尿です。

 

糸球体性蛋白尿の場合は分子の大きなタンパク質が、
尿細管性蛋白尿の場合は分子の小さなタンパク質が多く尿内に現れます。

 

前者の場合、糸球体の異常により、
本来通ることができないはずの大きなタンパク質が、糸球体を通過してしまうの原因です。
後者の場合は尿細管で本来再吸収されるはずの小さなタンパク質を、
再吸収することができなくなっているのが原因で起こります。

 

3.腎後性蛋白尿

前立腺や膀胱といった腎臓よりも後にくる臓器などに影響されて出る蛋白尿です。
血液、粘膜などが尿に混入することによって影響を受け、タンパク質が尿に現れるようになります。

 

妊娠時は蛋白尿に注意

妊娠中の女性

妊娠すると腎臓でろ過する血液が増加するため、一時的に糸球体に負担がかかります。これにより蛋白尿が出やすくなるので注意が必要です。

 

また、腎盂や尿管が拡張するのもあって膀胱炎や腎盂腎炎、尿路感染症にかかりやすくなり、これによって蛋白尿が出ることもあります。

 

ただし、尿検査で尿蛋白が陽性となった場合、妊娠中毒症や腎疾患になっている可能性もあるのでより注意することが必要です。

 

 

このように蛋白尿といっても原因はさまざまで、放置していいものとそうでないものが存在しています。

 

蛋白尿が一時的に出ているのかどうかもわからない場合には、必ず医師に相談するようにしましょう。
身体に異常が出ているサインの可能性がありますので。