腎機能低下を原因とする腎性貧血とは

腎性貧血について説明する女性

鉄分が不足することで貧血になり、めまいや息切れなどの症状が出るということを知っている方も多いかと思います。

 

でも実は、鉄分が不足していなくても、腎臓の機能が低下することで貧血状態になる「腎性貧血」というのがあるのをご存知でしょうか。

 

このページでは、その腎性貧血について説明します。

 

腎性貧血とは?発症要因は?

主な要因が腎障害(CKD)である貧血を「腎性貧血」と呼びます。

 

腎臓ではいろいろなホルモンを分泌しているのですが、その1つにエリスロポエチンというホルモンがあります。このエリスロポエチンは、骨髄で作られる赤血球をの生成をコントロールするもの。

 

腎機能が低下してしまうと、このホルモンの分泌が減ってしまうことで、十分な赤血球を作ることができなくなってしまうのです。

 

赤血球には酸素を体中に届ける役目がありますので、赤血球が不足すると、全身で酸素不足になってしまい、貧血の症状が発生してしまうのです。

 

他の要因が重なることも

エリスロポエチンの分泌量減少だけでなく、他の要因が重なることも多くあります。

 

腎臓病を患っていると、尿毒症性毒素が血液中に増加しますので、それらが赤血球を作るのを抑制されてしまうことがあります。赤血球の寿命が30〜60%程度に短くなったり、骨髄での鉄代謝の障害がおきることで、赤血球が足りなくなることも考えられます。

 

さらに、腎臓病患者は栄養障害をきたすことも多いですし、人工透析を受けている場合は、使用する機器に血液が残ってしまい、すべての血液を体内に戻せるわけではないので、体内の血液量の減少が起こります。

 

これら複数の発症要因が重なることも多いのが腎性貧血です。

 

腎性貧血の症状

腎性貧血の女性

血液中の赤血球が減り、全身で酸素不足が起こることから、疲れやすくなったり、動悸・息切れ、めまい等の症状が現れます。

 

腎性貧血の症状は重いものが急に現れるのではなく、少しずつ進行していくという特徴があります。そのため、症状に慣れてしまって、貧血になっていることに気づかないというケースがあるので注意が必要です。

 

また、酸素不足をカバーするために、多くの血液を全身に送る必要が生じます。そのため、心臓には常に負担がかかる状態になり、それにより心臓の病気も併発してしまう危険性があります。

 

さらに貧血の症状が強いほど末期腎不全になる割合が高くなると言われていますので、腎性貧血になってしまったら、早急に治療を開始して貧血を解消する必要があります。

 

腎性貧血の治療法

腎性貧血の治療法を説明する医師

一般的に知られている貧血は、体内に鉄が不足して、ヘモグロビンの産生が不十分となるものなので、鉄分を摂取することで症状は改善します。

 

しかし、腎性貧血は鉄分不足が主因ではないので、鉄分を補給しただけでは改善されません。

 

腎性貧血は、上記のとおりエリスロポエチンの分泌不足によるものなので、それを補うための腎性貧血治療薬による薬物治療が中心。それと合わせて食事療法や鉄剤の投与を行うことで、貧血状態を改善させていきます。